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山小屋日誌


by sakura-yamagoya

さよなら そして ありがとね!

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 河内貯水池の「眼鏡橋」から田代方面に少し行くと「九州民芸村」という観光スポットがあります。
 ここでは、ガラス工芸・伝統家具・漆工芸・染色と織りなどの実演と作品の即売が行われています。観光バスを連ねての見学客も来場しているようです。

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 「九州民芸村」

 この民芸村の手前に、私の母親を含めた近所の「ばあさん」連中が「日曜ふれあい市」と銘打って、各自が栽培した季節の野菜を中心に自家製の味噌、共同で開発した「竹わらべ」という乾燥竹の子などを並べています。

 母親は、野菜というよりも、漬物などの加工品が得意なようです。梅干・ラッキョウ・奈良漬などを出しています。
 母親の「おはぎ」は好評だったようで、遠くからわざわざ来てくださるお客さんもいたようです。

 それなのに、それなのに、母親は「大名出勤」を決め込んで、朝10時の開店ぎりぎりに駆け込むということがしばしばでした。メンバーのばあちゃん達はもちろんのこと、お客さんまでまたせることも。こんないい加減な母親ではございますが、お客様にはこよなく愛されていました。また、気まぐれや我が儘にも寛大なお客様に恵まれました。

 ばあさんメンバーは、多いときで7名でしたが、病気や用事で、ここ5年くらいの間に、次第に参加者が減り、最後は2人までになってしまいました。

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 最近、「ふれあい市」の場所を借りている地主さんから「土地が売れたので、立ち退いてほしい」という申し入れがありました。
 母親「わかりました」、即答です。しこうして、本日が最後の営業となりました。

 本日は、これまでのお客様のご愛顧に感謝して、温かい「ぜんざい」を振る舞うことにしました。
 午前中は仕事でしたが、午後から「ふれあい市」へ母親を迎えに行きました。 最後の場面に立ち会えてよかったと思います。

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 これまで、母親には、人には言えない辛いことや、悲しい時がたくさんあったと思います。
 それでも、この「ふれあい市」へ品物を出して、お客さんとの会話の中に、生きがいと楽しみを見出してきたものと信じています。
 母親本人には万感の思いがあるにもかかわらず、潔く「終了宣言」をしました。

 これまでの14年間、妹と私で分担して母親の送迎をしました。
 時間が経ってみれば、あっという間でした。
 我が妹よ、これまで、本当にお疲れ様でした。ありがとね。

 今日に至るまでの母親の努力に、心から拍手を送りたいと思います。
 パチ・パチ !!


       雨のこるべったら市のうすれ月     水原秋桜子



     
by sakura-yamagoya | 2005-10-30 19:33 | 山小屋日誌